スクウェア・エニックス・ホールディングスの業績回復は、モバイルゲームの大量撤退とマルチプラットフォーム化を軸とする構造改革が奏功したことを示唆している。2024年度の巨額の廃棄損計上以降、収益性改善へ舵を切り、ドラゴンクエスト12の開発体制見直しにも影響が及んでいる。
2024年3月期にコンテンツ等の廃棄損を220億円計上したことを転機として、プロジェクトの見直しとマルチプラットフォーム化を進めてきた。これにより、2026年4月~6月には売上高が約3割の増収、営業利益は約9割の増加となった。
2026年4月にリリースしたドラゴンクエストスマッシュグロウは累計ダウンロード数が500万を超え、同期間の配信タイトル「DISSIDIA DUELLUM FINAL FANTASY」は公開後数日で50万ダウンロードを突破したとの発表があった。スマートデバイス/PCブラウザ等の事業は前年同期比で売上高がほぼ36%増えている。
HDゲーム事業は2026年04月~06月期の売上高が前年同期間の約2倍、営業利益は約6倍と大幅に伸びた。過去の資産を活用した長期収益化の取り組みが徐々に効果を表しているとみられる。
長期的な視点ではマルチプラットフォーム化と資産活用の強化が、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストのシリーズを軸にした安定収益につながるとの見方がある一方、ドラゴンクエストXIIの作り直し発表を巡って、クリエイター起点と市場インのバランス見直しの必要性が指摘されている。