海上輸送の航路変更と費用上昇が、日本車の欧州流通に及ぶ影響を裏付ける。紅海情勢の変化で喜望峰経由が増え、運賃や保険料が上昇する事例が生じている。
日本車の欧州輸送は主にインド洋からアデン湾、バブ・エル・マンデブ海峡を経て紅海・スエズ運河・地中海へ向かうルートであり、紅海危機の影響を受けやすい海域とされる。2023年末以降の混乱で航路変更が生じ、喜望峰経由の船便が増加している。UNCTADの試算では喜望峰経由に切り替わると航海日数が約12日増えるとの指摘がある。完成車・部品を含む物流全体に波及する可能性がある。続報では航路変更の実態や物流コストの変化が注目される。
「紅海危機時」には上海~ロッテルダムが約倍の運賃、上海~ジェノバで350%の跳ね上がりをUNCTADが報告。保険料も戦争危険で船価の0.5%程度から約1%へ上昇したとの報道があり、船舶の保険料の負担増が避けられない状況とされる。これらの費用上昇は完成車輸送だけでなく、部品調達や生産計画にも影響を及ぼす可能性がある。
完成車以上に部品物流の停滞リスクが顕在化している。半導体、ECU、センサー、モーター、電池部品など多様な部品を世界各地のサプライヤーから調達しているため、船便の遅延は工場の生産計画そのものを揺さぶり得る。トヨタ、日産、ホンダなどは現地生産拡大を進めているが、部品供給網の多元化は依然課題であり、物流ルートの柔軟性が重要とされる。
情勢の変化を早期に把握することが重要とされ、海峡封鎖だけでなく航路の変更、保険条件の見直し、港湾混雑の有無など物流の各変化を注視するべきとの指摘がある。2026年9月時点でもイエメン情勢の動向が海峡周辺の航行環境に影響を及ぼしており、日本の自動車メーカーの生産・販売に対する間接的影響が懸念されている。