丸全昭和運輸は港湾物流と国際輸送を軸に長期成長を遂げ、過去10年間で当期純利益が約3.2倍、株主資本は約2.1倍に拡大した。株価は約4倍だが同業他社と比べ割安感が指摘されている。
横浜で港湾荷役会社として創業した丸全昭和運輸は、港湾物流・国際輸送を中核に一貫物流企業へと成長してきた。近年は中国・ASEANの製造業成長や越境ECの拡大を背景に取扱量が増え、港湾作業・国際輸送の取扱が長期的に拡大している。BCP強化や拠点分散も進み、顧客基盤の安定性と収益性の向上を実現している。
当期純利益は増加トレンドにあり、売上高の伸びとともに利益率が改善。セグメント別では物流と倉庫・通関の高付加価値領域の拡大が寄与し、株価は過去の推移と連動する形で上昇している。今後も増収増益トレンドが続く見通しで、2027年3月期・2028年3月期の予想は増収増益を前提とする。
株主資本は過去10年で約2.1倍、時価総額は約4.0倍と拡大。一方、PBRは0.5倍から1.0倍へ改善し、割安感が指摘されている。競合にはセンコーグループHDやSBSHDなどがあり、ROEとPBRの関係から割安感の解消次第で再評価の余地があるとみられている。
財務レバレッジの水準やROEの構成をデュポン分析で比較すると、丸全昭和運輸は財務レバレッジが低めでROEは9%程度。財務レバレッジを業界平均程度に引き上げればROEとPBRの上昇余地があるとの試算も示されている。2025年度以降の中期経営計画では設備投資約400億円、M&A約100億円を計画し、追加資金を活用した成長戦略を進める方針だ。