米ドルが米国の公的債務懸念と新たな不確実性の高まりを背景に3カ月ぶりの安値に落ち、円は日銀の利上げ示唆を待つ中で安定を保っている。
先週末の取引で米ドルは財政懸念の再燃と新たな不確実性の影響を受け、月曜の朝には3カ月ぶりの安値圏で推移した。長期債利回りの急上昇が市場の警戒感を高め、米財務省の長期債購入規模を1回あたり4,000万ドルに倍増するとの発表もドル安の要因となった。
一方で、米国経済の堅調さを示す8月のサービス部門成長が約2年ぶりの高水準を記録したことが、ドルの下落を限定し、USD指数は週末比ほぼ変わらずの98.83近辺で推移した。市場はFRBの今後の利上げ方針についての手掛かりを得ようと、ジャクソンホールでの講演など主要イベントを注視している。
中東情勢や通商政策をめぐる不確実性も投資家の慎重さを高めており、米国とカナダの貿易摩擦の再燃による関税政策の影響にも関心が集まっている。米ドルへの圧力は依然として続くとの見方が多く、財務省債券市場への対応とインフレの状況が今後の中心的な焦点となっている。
日本円は1米ドル158.91円で取引されているが、7月末の介入後の回復局面は限定的。円安の根本的な要因である金利差の縮小が進まない限り、短期的な上昇が持続するとは見做しにくいとの声がある。市場関係者は日銀の今後の発言や政策決定動向に注目している。