マッキンゼー・アンド・カンパニーが、ギガファクトリーの量産開始遅延の要因と解決策を分析した最新インサイトを公開。遅延は6〜9カ月程度となるケースがあり、巨額の価値損失リスクが指摘されている。
世界各地で進むギガファクトリーの量産開始遅延を巡り、マッキンゼー・アンド・カンパニーは最新インサイトを公表した。世界の高性能バッテリー需要を支えるため、1工場あたり10億〜70億ドル規模の投資が進むが、SOP(量産開始)は計画から平均6〜9カ月遅れているケースが多い。40GWh規模のNMC811セルを生産する工場で、遅延が6カ月進むと約2億5,000万ドルの価値損失リスクが生じるとされる。
遅延の背景として、5つの構造的要因が挙げられている。製品・製造工程・工場設計を同時進行で進める難しさ、経験豊富な人材不足、サプライチェーンがアジアに偏在しており現地規制への適合が必要、関係者の統合的管理不足、経験豊富な人材の不足といった点が遅延を招くと指摘されている。
先進企業が量産開始を18〜24カ月で達成している要因として、共通する3つの要素が整理されている。これらには、計画段階の徹底、現地規制への適合を前提とした現地施工の最適化、複数の主体を統合するプロジェクト遂行力の強化が含まれる。
AI活用と日本企業への示唆では、工場建設現場でAIや高度なデータ分析が活用され、マイルストーン管理やスケジューリングを生成AIで多様な案を作成・評価する取り組みが進んでいる。サプライチェーンの地域化が進む中、日本企業は現地規制対応や複数サプライヤー間の調整能力を含む立ち上げ力が重要となる。