日本企業の金宝堂ホールディングスがベルギー2部のクラブ運営に参画。選手育成を軸に収益を回すモデルの現場と、アントワープという都市の可能性を大野祐介代表が語る。
ベルギー2部のKベールスホットVAは、日本企業の金宝堂ホールディングスが経営参画したクラブである。ベルギーでは多くのクラブが赤字で運営されており、スポンサー収入やチケット収入は日本と比べて小さいが、育成して得られる移籍金収入を収益の柱としてクラブを回しているという現状を大野祐介代表は実感している。
ベルギーの育成・売却モデルは徹底されており、選手の活躍がクラブの契約更新と移籍機会につながる。一方で活躍選手のステップアップがクラブの財政を圧迫する場合もあり、契約残り1年の段階で売却する判断を取るケースがある。クラブ存続のためには売却を前提とした収入構造の強化が必要だと語った。
アントワープを拠点とするベールスホットは、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる街で、育成した若手選手を国内外へ送り出してクラブ価値を高めてきた。街の環境はサッカー選手の育成にも適しており、スタジアム運営やマーケティング、スポンサーとの連携など成長余地があると指摘した。
安定経営へ向けた課題としては、コストの見直しと売上の拡大の両輪が挙げられる。UEFAカップ戦出場以外のクラブは資本関係に依存する部分が大きく、財務管理の徹底と「どんぶり勘定的な運営」を改めることが必要だと述べた。昇格に伴う放映権料増加などの恩恵はあるが、それだけに頼らず内部の財務健全化を進めたいという考えを示した。
アカデミーの課題として、現在の2部レベルのままでは優秀な若手の流出を防げず、1部昇格を目指して設備投資とスタッフ体制の充実が急務であると述べた。14歳・15歳の選手が隣接クラブへ引き抜かれやすい現実に対し、アカデミーの魅力を高めて長期的な育成体制を確立したいとの意欲を示した。