オービックビジネスコンサルタント(OBC)とSAJの Born Digital研究会が、個人所得申告のデジタル化を軸にした新方針と英国のデジタル税制調査報告を同時に公表した。日本の年末調整や確定申告のあり方をデジタル前提の社会システム設計へと再設計する狙いを示す。
オービックビジネスコンサルタント(OBC)とSAJ政策・法務知財委員会の「社会的システム・デジタル化研究会」(Born Digital研究会)は、紙を前提とした年次処理の現状を改め、デジタルを前提とした一連の社会的システムとして個人所得申告を再設計する提言と、イギリスにおける税務デジタル化の調査報告書を公表した。
提言の要点は、年末調整を確定申告の「簡易版」として再定義し、対象者や控除の絞り込みで徹底的に簡易化する点、給与支払報告を月1回のデジタル報告へリアルタイム化し、所得税・住民税・社会保険・公的統計にまたがる報告をワンスオンリー化する点、所得情報を起点とする個人所得情報基盤の整備を挙げている。
さらに、所得情報基盤を通じて本人が状況を確認できるようにし、将来的にはワンクリックで確定申告を完了できる設計を目指すとともに、適切な法的根拠と透明性を確保した活用を想定している。
デジタル・プラットフォーム事業者とのデータ連携やAPI活用、記帳・申告プロセスの自動化を進め、個人事業主や副業者の申告・納税負担の軽減を目指す。英国の経験を踏まえ、共創の継続が改革の成否を左右するとの知見を日本にも適用する。