大手企業で給与制度や雇用形態に大転換が進む。大和ハウス工業の新卒給料引き上げ・塩野義製薬の実質定年廃止などが報じられ、AI化が採用動向にも影響を与えている。
住宅建設大手の比較から、給与制度の転換が進む実例として大和ハウス工業が新卒初任給を10万円増の35万円へ引き上げ、冬季のボーナスを廃止して月給での支給へ統一した。積水ハウスは超富裕層向けに強みを生かし海外売上を拡大、福利厚生にも配慮する一方、オープンハウスは中間層の購入意欲を取り込みやすい体制を整え、成果主義と安定の両立を図っている。これらは企業が中長期的な戦略に合わせて報酬構造を再編している現れといえる。
塩野義製薬は実質定年制を廃止し、65歳以降も正社員として評価と契約を継続する制度を導入した。政府の70歳雇用方針と併せ、年齢だけでなく能力・成果が重視される人材評価に移行する動きが見える。
大手銀行・生保・証券などの業務のAI化は新規採用を抑制する方向に向かっている。高度な専門性を持つ人材を現場に残す一方で、若手を含む採用の抑制が広がる可能性が指摘される。
米国を含む現場部門では、AIが処理可能な作業以外の分野で人間の専門性が収入面で優位になるケースが増えつつある。日本企業も入口・中間・出口の査定をリアルタイム化し、能力と実績に応じた処遇を強化する方向へ転換している。