日本企業界で円安への不満がドル収入の多い企業にも拡がり、川崎重工業の金花芳则会長とINPEXの上田隆之社長がGastech会議で円高と為替安定を公然と求めた。
日本企業界で円安への不満が、これまで声を上げにくかったドル収入比率の高い企業にも広がる中、Gastechエネルギー会議の場で川崎重工業の金花芳则会長とINPEXの上田隆之社長が、為替の安定を求める発言を公に行った。これらの企業は海外比率が高くドル建て決済が多いため、円高・円安の変動が長期戦略に影響を及ぼすとの懸念を示した。商船三井の橋本剛会長も同様の意向を示した。
一方、企業側の見解は、円安が海外利益の換算額を押し上げる可能性がある一方で、急激な為替変動が配置・調達・投資計画を難しくするとして、為替の安定性を重要視している。金花氏は円高・安定があれば米国生産の一部を日本へ戻す検討を再開する可能性を示し、上田氏は1ドル=100円が日本経済に適した水準かもしれないとの認識を示した。
また、為替環境の影響は企業の財務だけでなくマクロ経済にも波及するとの指摘があり、ドル建て比率が高い企業ほど円高・円安の影響を複雑に受けるとされる。ドル円は木曜日に156.42近辺まで上昇し、日銀の政策決定を控える局面で変動が続いた。長期的には日米金利差や金融政策の動向が円相場に大きく作用するとの見方も出ている。