ニデックの不正会計は、長年にわたる資産処理の先送りと株価至上主義が重なって生じたとされ、2016年の資産健全化プロジェクト起点に問題が広がり、2022年の構造改革や2025年期の目標維持とともに深刻化した。永守重信氏の「3K」経営と株式市場の評価が仕組みを強化したとの見方が述べられている。
2016年には不健全資産の整理が組織的課題として浮上し、資産の減損は利益目標の達成範囲内で処理される方針が採られていた。正しい会計処理よりも、設定された利益目標を先に決め、それに合わせて損失処理を行うという逆転した考え方が問題の核心とされる。
2022年度の大規模構造改革でも、集約された処理申請約1,600億円のうち一部は営業利益確保を優先する形で処理分けが行われ、監査の指摘回避が意図された可能性が指摘されている。
2025年期にも通期の営業利益目標2,400億円を維持したことで、残る損失処理を先送りする動機が働き、利益水増しの土壌が整ったとの見方がある。第三者委員会は利益目標と会計処理の乖離を指摘する。
本件は単なる個別不正の問題ではなく、株価至上主義と組織風土が長期にわたり機能不全を引き起こした点が重大で、平成の合理化経営から令和の価値創造経営への転換が求められるとの主張につながる。