日本企業のM&Aが2026年1〜9月で3883件と過去最多を更新。海外勢による買収額は約6.2兆円に達し、9か月で前年の年間実績を上回った。円安と資本市場の改革、後継者不足が背景にある。
日本企業の2026年1〜9月のM&A件数は3883件となり、前年同期比5.0%増で過去最多を3年連続で更新した。海外勢の買収件数は326件で21.2%増、買収額はおおよそ6兆1957億円に達し、9か月で2025年の年間実績を超えた。
円安だけでは説明しきれず、買い手は資本効率を向上させる余地や事業の組み替え可能性を重視している。東証の資本効率の要請やPBR1倍割れ回避の情報開示が進んだことで、非公開化を前提とした買収提案が入りやすくなった。さらに後継者不在率が50.1%と高止まりしており、事業承継の需要がM&Aの活性化要因となっている。
地味な素材・部材メーカーが狙われるケースが目立ち、太陽ホールディングスの非公開化を前提とするTOBは総額約4906億円。買収後は製品ごとの採算や資産の整理、海外販路の拡大といった価値向上策が想定されている。
今後は非公開化が「例外」ではなくなる見通しがあり、グループ再編・取引関係の見直しが進む可能性がある。買収後の成果が評価を左右する中、外資系買収は単なる身売りではなく成長資金の注入手段として捉えられる動きが広がると見られる。