米雇用統計の強い上振れを受けて長期金利が上昇し、日本株は反応をみせた。野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの宮嵜浩CIOは、景気回復に伴う“良い金利上昇”がAI・半導体以外の銘柄への投資を促す可能性があると解説している。
米国の雇用統計が市場予想を上回り、米長期金利の上昇を意識した株式市場の動きが活発化した。日本市場でも日経平均株価は6月8日終値が前週比で大きく下落、米国株の下落を受けた影響がみられた。半導体を含む成長株は金利上昇の影響を受けやすいものの、全面安には至らなかった。
6月5日に米国株が下落した背景には、5月の雇用統計で雇用者数の増加が市場予想を上回ったことがある。労働需給の改善はインフレ圧力を強め、米国の長期金利押し上げ観測を生み出した。日米の長期金利は上昇局面にあり、日本の10年国債利回りは2.71%を観測した(6月8日時点)とされる。
日本企業の景気回復は米国よりも勢いは小さく、原油価格の上昇リスクが高い状況では米国株が相対的に有利との見方が示された。長期金利上昇の背景には日米ともに景気回復があり、良い金利上昇を前提とすると今後の株式相場はAI・半導体以外にも広がりつつ底堅く推移するとの見通しが語られた。