主要7社のホテルREITの有利子負債とLTVを横並びに開示要素として整理し、金利が+1%動いた場合の分配金への影響を5年間で試算した。固定金利比率と平均残存年数の組み合わせで影響が現れる時期が大きく異なる点を明確化している。
本稿では7社のデット(借入)側を横並びに開示値を比較し、有利子負債残高・LTV・固定金利比率・平均残存年数・返済期日の分散・格付を整理したうえで、調達金利が一律に+0.5%/+1.0%動いた場合の5年間の影響を試算している。結論として、7社の影響の大きさよりもタイミングの差のほうが顕著である。
固定金利比率は0.0%〜88.9%と大きく開き、平均残存年数は2.1年〜3.4年で差が生じる。これにより、同一金利ショックでも伝わり方は大きく異なる。初年度の着地点は1.9%〜19.1%と約10倍の差があり、5年後の着地点は7.3%〜19.1%の範囲に収まる。
デットを室単位で見ると、1室あたり有利子負債は8.6百万円〜21.8百万円となり、RevPAR等の指標と相関しつつも、負担の絶対額だけで比較はできない。金利ショックが分配金に及ぶ経路は、即時の変動金利部分とリファイナンス到来時の順次適用の2軸で捉えられる。
結論として、LTVの高さだけで比較するべきではなく、固定比率とデュレーションの組み合わせと年度別のリファイナンス到来額を見て判断すべきだと示される。遅効型のREITには、現状が固定化・長期化へ動く余地を持つ局面であるとの読みがある。