高市政権発足から1年を迎えた日中関係は冷え込みが続き、台湾有事を巡る安全保障の影響が経済・人の交流にも波及している。11月のAPECでの首脳会談が焦点となる可能性がある。得られる最新の動向と企業活動への影響に注目が集まる。
高市政権発足から1年を迎えた日中関係は、経済的相互依存を保ちつつ対話を継続する従来の枠組みが難しくなり、台湾海峡の安全保障、重要鉱物の供給、日米同盟をめぐる対立が前面に出てきた。安全保障上の懸念は経済・人的交流にも波及し、日本企業の経営判断や外交戦略を左右する段階に入っている。
大きな契機は2025年11月の国会答弁で、高市首相が台湾有事が日本の存立危機事態になり得るとの認識を示したことだった。中国はこれに強く反発し、発言撤回を求めた。日本側は台湾海峡の平和と安定を重要視し、発言撤回が日中関係の姿勢を左右しかねないとしている。
余波は外交・安全保障分野にとどまらず、日本への渡航呼びかけやデュアルユース品の対日輸出管理強化、レアアースなどの重要鉱物の供給不安といった企業活動へ影響を及ぼしている。調達先の多様化や生産計画の見直し、在庫積み増しなど、サプライチェーン全体にも波及している。
今後の焦点は11月の深圳APECでの首脳会談の実現可能性と、その後の対話・協力の進展である。対話を維持しつつ抑止力を確保し、経済依存を管理する難しい政策運営が求められている。