IBMの第2四半期決算でメインフレーム関連が大幅減となりAI時代のSaaS収益構造の変化が浮き彫りに。SaaS終焉論が海外市場で広がった2026年初には日本株にも波及し、SaaS銘柄が同日に大幅に売られた。
IBMの第2四半期決算では、ハイブリッドクラウド(Red Hat)は11%増と堅調だった一方、IBM Zは42%減となった。コンサルティング事業は横ばいのまま推移しており、AI時代のインフラ需要が成長を牽引する一方でレガシー資産の影響が利益を圧迫する構図が示された。決算説明では、AIエージェントが直接解約を招いたとの説明はなく、メインフレームの製品サイクルの谷が影響したとの解釈が示された。
2026年2月にはSaaS株の急落を指す「SaaSpocalypse」という現象が報じられ、日本株でもラクス、Sansan、弁護士ドットコム、freeeなどが同日安となった。海外でSaaS全体が売られたことが原因とされ、個別銘柄の中身よりセクター全体の動きが重視された。
SaaSの収益モデルとして従来のシート課金がAIエージェントの普及で収益の圧迫要因になるとの指摘が広まった。一方で内製化の進展やAIエージェントによる生産性向上がSaaS市場の需要を変動させ、構造変化が不可避との見方も示された。野村證券の見解では内製化は限定的で、AIエージェントによる従業員代替は現実的な懸念として存在する。
第3章以降では米国大手SaaSの業績検証としてServiceNow、Salesforce、Adobeの数字を取り上げ、売上は伸びつつ株価は大幅下落した事実を整理。ServiceNowは高い契約長期性を示すRPO・cRPOの伸びが継続、Salesforceは新指標AWUの導入や成長見通しの上方修正を公表。Adobeも二桁成長を維持したが株価は反応が薄かった。これらは「業績崩壊」ではなく「評価倍率の変動」が要因であるとの示唆を共有した。