モンスターハンターワイルズのグローバル展開で、英語リップシンクを自動化するSGXを活用。日本語から英語へのフェイシャルリグ変更を最小化し、膨大なカットに対応するためのパイプラインも構築された。
世界累計本数が1180万本を超えるカプコンのAAAタイトル『モンスターハンターワイルズ』では、グローバル展開に際し英語音声の自然なリップシンクを実現するため、Speech Graphics社の自動音声アニメーションシステムSGXを採用した。英語版開発の中心は日本語のリップシンク調整を短期間・少人数で英語へ転換する点にあり、膨大なカットとセリフに対応するためSGXの活用を決定した。
SGXの運用では人間キャラだけでなくアイルーやモリバーなど獣人系にも適用。リグを共通化した構成で、英語リップシンクの生成と検証を進め、Speech Graphics社とのセットアップは社内リグを基準に不足挙動を指示する流れで行われた。初期セットアップは約1.5~2ヶ月を要した。
SGXパイプラインツールを開発することで、息づかい・笑い声といった音声情報もテキスト化してリップシンクに反映する工程を自動化。検証段階では手作業が多かったが、ツール化により1カット分の解析出力を約1分程度で完了し、他作業と並行して進められるようになった。
解析結果の約7割をそのまま採用でき、状況により8割強がそのまま使える例もある一方、会議シーンなどでは5~6割程度にとどまるケースもあった。序盤の「砂上船」シーンではSGXの結果がほぼそのまま適用された事例がある。SGXなしの場合、英語リップシンク対応だけでも相当の工数が見積もられ、日本語開発の安定期以降に英語対応を開始した。今後はマルチ言語対応の普及と、音声の抑揚から感情を読み取る機能の向上が期待される。