円相場が反転し、日米金利差の動向に加え日銀の利上げ期待や資本の流入がキャリートレードへ圧力を増している。9月週末までに円は対ドルで上昇、市場心理も売りから買いへ移行している。
7月末の日米協調介入以降、円は週間で最大級の上げ幅を記録し、対ドルで約2%上昇した。市場は円高の背景として日銀の金融引き締め期待と資本流入がキャリートレードを押し上げているとみている。
市場データは円に対する見方が弱気から強気へ転じつつあることを示している。シティグループのデータや銀行間資金フローの集計では、過去1週間でレバレッジファンドや大口機関が円の買い越しを示した。9月の政策決定会合で日銀が利上げを決定する確率は97%と織り込まれている。
FRBの動向も複雑化している。8月の雇用統計は堅調だったが失業率は横ばいで、9月の連邦準備制度理事会の利上げ確率は約60%に引き上げられている。円高の背景にはFRBの引き締め姿勢の変化だけでなく、金利差の縮小以外の要因が絡んでいる。
キャリートレードは新たなリスクに直面している。日銀の利上げ観測と資金還流の兆候が広がる一方、円建ての借入ポジションの縮小が進めば円相場に影響を及ぼす可能性がある。専門家の見解では、円建てキャリートレードの解消リスクが高まっていると指摘されている。