アジア経済は2027年も底堅さを維持するとみられ、戦略的設備投資が景気を下支えする見込み。ただし域内貿易の国内付加価値乖離や資本コスト上昇、政策支援の縮小が成長の回復力を見極める要因として挙げられる。
2026年にアジア主要12カ国の実質GDP成長率は力強く推移したとされ、2027年には0.4ポイント減速して4.2%になると予想される。世界的なテクノロジー需要と国内の戦略的投資は引き続き景気を支える見込みだが、新たな成長推進力の勢いは和らぐ可能性がある。
当社のエコノミストは資本コストの上昇や政策支援の縮小に直面しつつも、アジアの設備投資サイクルは市場予想より底堅く推移すると分析する。ただし域内の貿易が国内付加価値の低さをもたらすとの指摘もあり、貿易の性質を注意深く見る必要がある。
留意点の一つとして、戦略的分野への巨額投資は輸入依存度の高さや物理的ボトルネックを伴い、国内の雇用・所得の乗数効果は限定的になりやすいとされる。中国の投資成長が不動産調整の長期化で下振れする可能性もある。
留意点の二つ目は、政策支援の撤退と家計消費の上値の重さだ。燃料補助金や現金給付の影響が薄れる局面で、雇用動向や賃金次第で消費マインドが慎重化するリスクがあり、域内需要の回復速度に影響を与え得る。