AIサーバーの需要拡大で日本企業の部品供給力が注目される中、受動部品を中心に日本企業が要所を押さえる現状を、具体的な動向と銘柄の動きを含めて要約します。
世界のAIサーバー投資は2026年に入り加速し、TrendForceの試算では大手クラウド9社の投資額が8,867億ドル超、AIサーバーの出荷は前年比で約31%増が見込まれるという。IDCの集計では2026年4〜6月期の世界サーバー市場が1,663億ドルと過去最高を更新し、その半分超をGPUサーバーが占めている。こうした背景の下、AIサーバーの電源を支える受動部品の重要性が高まっている。
AIサーバーの電源安定化にはアルミ電解コンデンサや導電性高分子コンデンサ、セパレータ、電極箔などが不可欠で、日本企業が主要部材の供給網を押さえている。特に日本ケミコンはアルミ電解コンデンサの世界首位で、AIサーバー向け売上を2026年3月期の41億円から2028年度で約276億円へ拡大する計画を示した。ニチコンは長形の大形アルミ電解コンデンサや導電性高分子の組み合わせでAIサーバー向けの成長路線を描き、2026年5月の決算説明資料には売上を2025年度の約52億円から2028年度で約300億円へと伸ばす見通しを掲げた。
その他の動向として、資金調達やリスク要因にも目が向く。ニチコンは9月に約220億円のユーロ円CBを発行し、長形とハイブリッドの増産に充てる計画を公表したほか、自社株買いも実施した。一方、シンガポール子会社に対する約193.7億円の判決が出ており、特別損失や希薄化リスクなど、企業業績へ影響する要因もある。政府がコンデンサを特定重要物資に指定している点も注目される。最後に、本文では完成品のコンデンサから素材・周辺部品まで、AIサーバーのサプライチェーンを支える20銘柄を順序別に解説する。