TDKが世界初のメタオプティクスミラーを搭載したDRPディスプレイを実証。超薄型のミラー厚さ150nmと透過率80%の高透過を実現し、将来的な量産化とコスト低減が期待されている。
TDKは、ナノ構造を平面上に配置して光の挙動を自在に制御する「メタオプティクス」を用い、DRPディスプレイを実証した。これにより、導波路ディスプレイや曲面ミラーを必要としない第三の方式としてスマートグラス向けの新しい映像表示手法を提示している。
従来のスマートグラスは外観やコスト、プライバシーの課題があり、導波路方式では虹模様の発生などの問題があった。DRP方式は網膜に直接投影する形式で、視力に左右されず鮮明な映像を得られる利点があるが、厚みのある曲面ミラーが外観上の課題となっていた。
メタオプティクスミラーは光を平面ミラー上で反射させることで、厚さわずか150nmの薄いミラーを実現し、透過率は80%を達成。これにより通常の眼鏡レンズに埋め込み可能となり、虹模様の発生を抑えつつ網膜直接投影と組み合わせることで映像漏れを低減できる見込みがある。
世界初の実証には、TDKが長年培った薄膜プロセス技術とパートナー企業との協業が寄与。開発は2022年7月の社内議論に端を発し、2023年からQDレーザ、TDKのグループ企業を通じた試作を経て、オリジナルのメタオプティクス素子を創出した。現在はスマートグラスの基礎検証を進行中で、量産化に向けた取り組みが続く。