トヨクモの山本裕次CEOは、売り込まないPLG戦略で日本企業のSaaSを大衆化し、世界市場で勝つ条件としてシンプルさと低価格、顧客からの信頼構築を重視する考えを述べた。日本の企業にはネット時代の売り方の転換が必要だと指摘している。
国内のSaaS市場では長らくSales Led Growth(SLG)が主流だったが、トヨクモは製品の価値と使い勝手で顧客を獲得するProduct Led Growth(PLG)を軸に急成長している。代表取締役社長兼CEOの山本裕次氏は、情報サービスを日用品のように直感的に使える形で普及させ、グローバル市場での勝機を狙う考えを示した。
PLGを実現する武器として同社は「人から売り込まない」という方針を採用している。顧客へのサポートは徹底する一方、対面訪問や強引な販売は行わず、Web上の情報提供とコンテンツで信頼を築くことで長期的な利用拡大を目指す。組織は開発約3分の1、マーケティング約半分、経営管理が残りという異例のバランスで運営され、オウンドメディア運用や顧客課題に寄り添う情報発信が中心となっている。
成果指標として1人当たりのARRが5000万円を超える水準を達成しており、長期的な生産性の維持を優先する経営判断を重視する。日本市場の現状から、海外展開を2030年頃から本格化し、2040年までに売上高1000億円規模を目指す計画も示された。海外の企業を含む良質なプロダクトのM&Aを通じたグループ形成も視野に入れている。