日銀が公表した金融システムレポート(10月号)は、分析の焦点を中東情勢・不動産からAI投資・海外ノンバンク・株価上昇へと移し、AI関連リスクを正面から取り上げた。
日銀が10月23日公表の金融システムレポート(10月号)では、前回4月号の中東情勢・原油高・不動産融資リスクを中心とした分析から、AI投資・海外ノンバンク・株価上昇を中心テーマに据えたことが描かれている。ハイパースケーラーによるデータセンター投資などが拡大する現状を踏まえ、資金供給を担う海外ノンバンク部門の存在感が高まっていると指摘されている。
IMFと同様にAIブームのリスクにも着目しており、AI関連投資が期待通り収益拡大につながらない場合、日本株にも調整圧力が生じ得るとの認識が示された。海外ノンバンクの議論とAI投資リスクの結びつきが特徴とされる。
金融政策への影響として、前回同様に住宅ローンとAI投資リスクの比較が行われ、住宅ローン問題の分析はBOX1として取り上げつつも内容は近時のBOXと大きく変わらず、企業部門の金利耐性は改善、家計部門の賃金上昇が返済負担を和らげるとの評価が示された。
利上げの時期に関しては、四半期ごとの利上げ維持の可能性が示唆されつつ、追加利上げを12月に見送る可能性も高いと筆者は見ている。AI投資ブームと金融安定リスクの両面を慎重に見極める展開になるとの見方が示された。