日銀の追加利上げ観測が強まる中、9月会合での政策金利1.25%引き上げの可能性や円相場の動向が注目されている。7月の据え置き後、インフレ指標と円安の背景から利上げペースへ市場の織り込みが進んでいる。
日銀の追加利上げ観測が8月下旬時点で一段と強まっており、8月10日に公表された主な意見では複数の委員が利上げペースを速めるべきとの見方を示した。市場では9月17~18日の金融政策決定会合で0.25%の利上げ、すなわち政策金利を1.25%へ引き上げる可能性が意識されている。
背景には、7月のコアCPIが前年比1.8%、生鮮食品・エネルギーを除く基礎指標が1.9%と再び上昇していることがあり、企業物価の高止まりも今後の物価転嫁を通じて消費に影響を及ぼす懸念がある。これに円安が連動して輸入物価を押し上げるとの見方もある。
市場の織り込みは急速に進み、9月までに利上げが実施される確率は8月21日時点で約82%と報じられている。長期金利の動向や円安の進行次第で、利上げ後の追加ペースが焦点となる見通しだ。
長期金利は8月18日に新発10年国債利回りが一時2.945%まで上昇し30年ぶり超えとなったが、同日以降は2.879%付近で推移している。市場参加者は日銀の利上げ観測と財政・物価動向を踏まえ、3%突破が日本株や住宅ローン市場にも影響を及ぼす可能性を見据えている。
円相場は9月利上げの確度が高くとも、実際には材料出尽くしとなる場面も想定される。日米金利差や米国の政策動向次第で、ドル円は158~160円台の攻防が続く可能性がある。
日銀が9月に利上げを実施した場合の影響は、銀行株の利ざや改善が期待される一方、輸出株や不動産株にはマイナス要因となる可能性がある。今後は9月会合の結果だけでなく、その後の利上げペースも注視する必要がある。