ウクライナのドローン攻撃に対し、ロシア政府が民間企業も含む防衛体制の強化を進めている。対ドローン関連の支出が急増する一方で、企業の防衛装備導入の動きが広がっている。
ロシア政府は民間企業や施設がウクライナのドローン攻撃へ対応する責任を果たすよう指示する大統領令を先月発出し、守るべき資産を国が一時的に没収する可能性があると警告した。これを背景に、ロシア企業は防衛関連設備の調達や自社防衛装備の自作化を進めている。
ロシア企業の対ドローン関連支出は今年上半期で前年同期の7倍に増え、4億4000万ルーブル(約8億2000万円)に達したと報じられている。中には射手を雇い、ドローンを撃墜する監視・防衛体制を整える企業も現れている。
ロシアは今月初め、郵便職員が武器・弾薬を所持して撃墜行為を行えるよう大統領令を出した。民間部門を動員して防衛態勢を強化することで、ウクライナの攻撃の被害拡大に対応しようとしている。
被害は国内の産業・物流施設へ波及しており、ロシア最大手のオンライン小売企業オゾンやワイルドベリーズの物流センターを含む少なくとも36カ所の施設が攻撃を受けている。財務省は防衛・復旧費用の税制優遇を、中央銀行は再保険の資金注入をそれぞれ発表した。
外交面ではセルゲイ・ラブロフ外相が国連総会演説で安全保障の脅威除去を訴え、ドイツのワーデフール外相と初めての会談を行った。緊張緩和を巡る協議が今後の動向に影響を与える見込みだ。