経済産業省が令和9年度税制改正要望で「事業ポートフォリオ転換・強化促進税制」創設を公表。売却益の課税を一定期間繰延し、生産性向上が見込まれる企業のM&Aを後押しするとの趣旨。
8月31日に公表された令和9年度税制改正要望の中で、経済産業省は「事業ポートフォリオ転換・強化促進税制」の創設を盛り込んだ。これは事業の売却と買収を組み合わせてポートフォリオの転換を図る企業に対し、売却益への課税を繰延べるという内容である。
新税制の適用には、売却と買収を一定期間内にセットで実行すること、転換によって一定以上の生産性向上が見込まれること、そして税制適用の認定を受けることといった条件が設定される。これにより資本コストを上回る価値創造セグメントへの資本再配分を促す狙いがある。
ただし要件が難しく非課税にはならず繰延だけにとどまる点など、使い勝手には課題も残ると指摘されている。M&A実務の現場では、売却と買収を一体で構想する視点がこれまで以上に重要になりそうだ。