日米欧で長期金利が上昇傾向となり、日本では近く3%の節目に達するとの観測が出ている。背景には日銀の利上げ観測と財政悪化への警戒、米欧でのIT大手の巨額社債発行が資金需給を変化させているとの見方がある。
日本の長期金利の指標である新発10年物国債の流通利回りは18日に2.945%まで上昇し、19日終値は2.895%と約30年ぶりの高水準が続いた。市場では近く3%に達するとの見方が広がっている。金利上昇の背景には、日銀の利上げ観測と今後の利上げ継続への見通し、さらには財政悪化への懸念がある。
米欧でも長期金利が高水準を維持し、米10年債利回りは4.74%近く、30年債も高水準を記録。IT大手のデータセンター投資資金をまかなう社債発行が増え、国債需要の減少観測が広がった。グーグル親会社アルファベットなどの26年社債発行額は約2200億ドルと前年を大幅に上回る見込み。
米財務省は長期国債の買い戻し上限を拡大すると発表し、長期金利の動向に一定の影響を与えた。欧州ではフランス4.1%台、ドイツ3.2%台後半、英国5%台など各国の長期金利も高止まりしている。総じて、海外の金利上昇が日本の金利上昇にも連動する傾向が指摘されている。
金融市場の見通しとして、長期金利の上昇は預金者にはプラスだが借り入れ側には負担増を招く可能性があり、特に輸入物価の上昇と利払い負担の増加が家計や中小企業へ影響を及ぼす懸念がある。