9月の金融政策決定会合で日銀の利上げが想定される中、財政赤字の放置が金融政策の自由度を低下させ、財政従属が将来のインフレ圧力を増大させる可能性があるとの指摘がある。
日銀の利上げがインフレ抑制に必要なだけできるかは疑問視されており、財政赤字を抱える日本では財政従属の問題が生じている。財政従属とは、財政赤字や政府債務が大きくなり中央銀行が政府債務の資金調達を配慮せざるを得なくなり、物価安定を最優先した金融政策を取りづらくなる状態を指す。本文はこの概念とその影響のメカニズムを説明する。
財政従属の発生理由として、政府が財政赤字を賄う手段には国債の発行と貨幣化の二つがあるとされる。貨幣化は中央銀行が新発国債を直接引き受け、政府に通貨を供給する形態だが、日本では財政法第5条により新規国債の直接引受けは原則禁止されている。日銀による通常の国債買い入れは市場の国債を買う形で、紙幣が直接増えるわけではなく金融機関の当座預金が増える。
この理論の要点を整理した「不愉快なマネタリスト算術」では、財政赤字を抑えようとしても中央銀行が即座に通貨供給を引き締めても、インフレを恒久的に抑えられない可能性があるとされる。条件次第では、現在の金融引き締めが将来さらに大きなインフレを招く場合があることが示されている。