ランサムウェア集団Qilinの中心メンバーとされるロシア国籍の男が大阪市内で拘束され、日本の捜査当局を経てドイツへ身柄を引き渡された。併せて同集団は過去にアサヒグループへの攻撃を宣言している。
日本の捜査当局は、ランサムウェア集団Qilinの中心メンバーとされるロシア国籍の男を大阪市内で拘束し、ドイツへ身柄を引き渡した。逃亡犯罪人引渡法に基づく請求を受けた措置で、東京高裁の審査を経て移送が完了した。
男が問われている容疑は、2024年9月にドイツ所在の物流会社のシステムへ不正にアクセスしデータを暗号化、その見返りとして約2600万円相当のビットコインを脅し取ったというもの。男はランサムウェアの攻撃インフラ構築を担う中心メンバーであり、実行部隊が脅し取った身代金の一部を受け取っていたことも確認されている。
Qilinは国際的に影響の大きい攻撃組織として、日本国内では2025年9月にアサヒグループホールディングスへの大規模攻撃を掲示している。この攻撃により社内ネットワークが掌握され、国内の30カ所の工場と6カ所のビール醸造所が一時操業停止に追い込まれ、取引先の電子商取引プラットフォームにも出荷遅延などの二次被害が及んだ。
同社による攻撃では従業員や取引先など150万件以上の個人情報が漏洩したと会社側が報告している。日本やドイツを中心とする国際捜査機関の連携強化の下、情報共有と捜査共助の枠組みが機能した結果、今回の拘束と身柄引き渡しが実現した。