IT企業20社の決算で、利益は出ているのに現金が思ったほど増えない現象を、営業利益と営業キャッシュフローの性質の違いから整理する。進捗と請求の時差や契約資産・売上債権の動きが、現金の増減にどう影響するかを、具体的な2社の事例で見る。
この記事では、IT企業の決算で利益と現金の動きにズレが生じる主因を、営業利益と営業キャッシュフローが異なる指標である点から解説する。発生主義と実際の資金回収のタイミング、契約資産や売上債権の増減、前受金・契約負債の変動などが、現金の増減を左右することを整理する。
問い1では利益の源泉が税金の調整や減価償却などの非資金項目を含む一方で、CFは非資金項目と運転資本の変動を調整した実額だと説明する。問い2では売上債権と契約資産の増減がCFを押し下げる可能性を指摘する。問い3では契約負債・前受金の増減がキャッシュを押し上げる場合があり、単純な善悪判断は難しいとする。
問い4では仕入れと支払いのタイミング、前渡金や棚卸資産の動きがCFに影響する点を具体的に挙げる。問い5では税金の支払時期や一時項目の影響を挙げ、単年度だけで判断せず前期比較や残高の推移を確認する重要性を強調する。
事例として、インテリジェント ウェイブと日鉄ソリューションズを取り上げ、それぞれの決算期の営業CFの動きと、契約資産・売上債権・仕入債務の動きがどのように現金残高や現金同等物に結びついたかを整理する。