日本製紙の米国子会社NDPで2026年5月、薬品タンクの倒壊により11名が死亡、8名が負傷した。8月に公表されたCSBの初調査報告は、警告を無視して稼働を続けた背景にずさんな安全管理があったと指摘している。
米国の日本製紙の子会社、日本ダイナウェーブパッケージング(NDP社)で、薬品タンクの倒壊事故が2026年5月に発生し、現場で11名が死亡、8名が負傷した。現地では損害賠償訴訟や環境訴訟に向けた動きが進んでいる。CSBはこの事故について初報告を8月に公表した。
CSBの報告書によると、事故の約10カ月前に実施された検査では、倒壊した白液用タンクの大部分が最低限の厚さを下回っており、安全を維持できない状態と明記されていた。にもかかわらずNDP社は修理を行わず、稼働を続けた。
同社は25年10月と26年2月にも検査を行っていたが、タンクの内部検査や修理、稼働停止、運転条件の低減といった措置はとらなかった。事故当日にはプロセス上のトラブルで充填率が90%に達し、強度の限界を迎えたタンクが破裂した。
CSBは今後、タンクが稼働状態のまま放置された経緯を解明する予定で、背景となる安全管理体制の欠如について調査を深める方針を示している。