富士通株は中間決算発表直後に急落した後、NVIDIAとの協業拡大とMONAKAの販売計画を背景に、サービス事業の利益成長とAI関連事業の収益化を追う展開となっている。決算内容と提携の進捗、下期採算の回復見込みを整理する。
富士通は中間期の決算発表を受け、上期売上は前年同期比で増収だが、調整後営業利益は6.1%減となった。ハードの部材高や開発投資が全社利益を押し下げた一方、サービス事業の増益は続き、Uvsanceの成長も寄与した。下期には利益率とAI関連受注の拡大が重要になるとされる。
NVIDIAとの協業は計算基盤からフィジカルAIへと拡大しており、MONAKAの販売時期も具体化している。MONAKAは2026年11月にCPU単体とサーバー販売を開始予定で、2027年4月以降の出荷が本格化する見込み。AnthropicやPalantirとの提携もAI導入支援体制を強化する要因となる。
富士通の量子戦略として256量子ビット機の開発と、2026年度に1,000量子ビット機の公開計画が進行中。OpenQARPの公開により量子アプリ開発の普及を狙うが、有料顧客の拡大には実証と契約の積み上げが必要とされる。
上期のUvanceは売上増、受注増で成長を支える一方、7〜9月期の採算は悪化要因があり、下期の正常化が前提となる。国内受注は増加しているものの、ハードウェアの価格転嫁や新規事業の採算改善が鍵を握る。
決算後の株価急落を踏まえ、株価を評価する際には下期の利益成長と採算回復のペースを確認する必要がある。MONAKAやフィジカルAI、量子といった新規事業の出荷・契約がどこまで具体化するかが、投資判断の重要な要素となる。