世界経済の安定を巡る議論の場として、G20財務相・中央銀行総裁会議がノースカロライナ州アッシュビルで開かれる。専門家はインフレと地政学リスクをめぐる議論の焦点を語る。
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が31日から2日間、米ノースカロライナ州アッシュビルで開かれる予定で、世界的なインフレや中東情勢などの地政学リスクが経済の重しとなる中、各国の政策対応が協議される見通しだ。元財務官の中尾武彦氏と元日銀理事の門間一夫エグゼクティブエコノミストがそれぞれ国内外の経済情勢と日本の役割について語っている。
中尾氏は、現時点で米国の関税政策や中東の問題が成長やインフレに深刻な影響を及ぼしていない一方、AI関連投資が世界経済を押し上げていると指摘。円安が購買力を蝕む点や、インフレと長期金利の安定には日銀の利上げを含む政策対応の強化が必要との認識を示した。
門間氏は、地政学リスクの高まりとエネルギー価格の影響が世界経済の重荷になっていると指摘。G20は一定の意見交換の場として機能するものの、長期的な協調には限界があるとの見方を示し、中国の政策転換による国際協調の難化を背景に、日本はミドルパワーとして米中の対立軸を模索しつつ、欧州やアジアと連携して世界の秩序形成に寄与すべきだと語った。