メモリ価格の急騰によりパソコンやスマホの価格が上昇し、家庭の出費が増大している。一方でAI需要の拡大によってメモリ市場の需給が逼迫し、メーカーの利益拡大を背景に周辺機器やリユース市場などへの波及も見られる。
秋葉原のデスクトップ用DDR5メモリの最安値は16GB×1枚で約2万9,800円、16GB×2枚組で約6万1,480円となっており、DDR4世代も値上げ水準に達している。パソコン本体の平均単価は2026年4月に約13万9,821円となり、前年同時期から急増した。出荷台数は2026年6月時点で前年同月比67.7%の96万2,000台と大幅に落ち込んでおり、需要の抑制と買い替え需要の反動が重なる。スマホ市場では新機種の価格が大幅に上昇し、256GBのiPhone 18 Proが219,800円、1TBモデルは32万4,800円へと高止まりしている。
周辺機器にも波及しており、バッファローは外付けHDDやNAS、ルーターなど計105型番を8月に最大5.8%〜42.5%引き上げた。富士フイルムは海外でカメラ値上げを検討するなど、メモリ高騰がデジタル機器全般のコスト構造に影響を及ぼしている。こうした価格転嫁の流れは、家計のインフレ負担を押し上げる要因となっている。
テクノロジー投資の観点では、TrendForceの見通しがDRAMの需給逼迫を2027年いっぱい続くとし、NANDは2027年後半に緩和が見込まれると示す。大手クラウド事業者の設備投資拡大やAIエージェントの商用化が、データセンター向け需要を牽引する一方、消費者向け需要の弱含みも観測され、価格上昇のピークは過ぎつつある可能性がある。投資家はDRAM/NANDのスポット・契約価格の動向や工場立ち上げ時期、主要メーカーの決算動向を注視するべきだ。