日銀の利上げが終了に向かうかを判断する手掛かりとして、日銀短観の企業金融項目や資金繰り判断DIの現状と、今後の非線形な動きがないかを読み解く分析が示された。
本分析は、物価が遅行指標であることから金融政策の直接的な読み取りには限界があると指摘しつつ、日銀の利上げ終了を見極める際には速報性の高い指標として日銀短観の企業金融項目が有効である可能性を提示している。日銀短観における金融環境の現状把握は、設備投資の意思決定や資金繰りの状態に影響を与えるとされる。後述の数値は、現時点での総体的な評価が良好であることを示唆している。
次に示された6月の日銀短観全規模・全産業での貸出態度判断DIは+13、資金繰り判断DIは+11と、長期的には良好な水準にあると整理され、現時点では累積的な利上げの影響が金融環境に強く表れていない可能性が示唆された。
ただし、将来的には累積的な利上げの効果がこれら指標に現れる可能性があり、非線形な悪化が観測された場合には経済・物価の過剰な引き締めに対する警戒感が共有されると筆者は論じている。