海外の先例を踏まえ、日本企業が成長優先から脱成長へ移行するシナリオを検討するコラムで、スチュワード・オーナーシップや地域社会への資金還元、8原則など具体例と方針を提示している。
本コラムは海外の事例を手掛かりに、日本企業が脱成長を前提とした経営へどのように移行できるかを考察している。欧州の制度的ブレーキと、日本企業が持つ地域社会とのつながりをどう活かすかを比較し、日本に適した移行シナリオの在り方を模索する。
スチュワード・オーナーシップのように利益追求を法的に制御する仕組みは欧州で生まれた背景があり、日本には終身雇用と地域社会志向の強い土台があると指摘される。日本では内部資金と人材を社会と共有する仕組みを整え、地域課題の解決へ資源を還元することが鍵になるとの見解が示される。
地域社会と結びつく人材の知見を地域課題の解決へ活用する「社会還流の仕組み」が重要とされ、週数時間の地域活動や副業、サバティカル休暇を制度として認める案が提案される。社員を「会社のみに帰属」させず、社会全体へ帰属させる発想が強調される。
資金の循環と透明性の確保も不可欠として、Ecosiaのように広告収入を全額 climate対策へ再投資する例が取り上げられる。日本企業も再投資をルール化し、地域の金融機関と連携して社会価値を評価できる会計の枠組みを整えるべきとする。
脱成長ビジネスの8原則を参照しつつ、日本企業が地域性・目的・充足性・コンヴィヴィアリティなどの要素を生かす一方、脱植民地性の課題にも取り組むべきと指摘される。成長至上の指標だけでなく、社会と環境の持続性を評価軸に据える必要性が強調される。