中国で出入国管理規定が施行され、国家戦略上の重要産業や技術を脅かす恐れがある場合に出国を制限できる対象が拡大した。外国人の入国条項も厳格化され、日系企業を含むAIや半導体分野の技術流出防止を目的とした運用が始まった。
15日、中国政府は出入国管理規定を正式施行した。対象は国家戦略上の重要産業や技術を脅かす恐れがある場合で、出国を制限できる規定が新設されたほか、外国人の入国条項も厳格化された。これにより、跨境での人の動きが経済安全保障の観点から監視される。
日系企業を含むAIや半導体関連企業は、技術者の出張や査証の点検を急ぐ必要性が高まるとみられている。米中のハイテク覇権争いを背景に、輸出管理や技術移転に関する法令違反時の出国禁止・信頼できない企業リストの関係者へのビザ発給拒否などの措置が取られる可能性がある。
運用面では不透明さが残る。居住地の省政府による出国禁止の決定権を新たに認めるほか、公職者や軍人の海外永住資格の不正取得を取り締まる。現場では現行の運用ルールの解釈次第で地方裁量が拡がる懸念が広がり、企業側は管理強化に対応を迫られる。
日本貿易振興機構(ジェトロ)や国際法律事務所の見解・対応も強化される見込み。中国側の規制強化は今後の出入国申請時の手続きや監視の厳格化を伴い、日系企業を中心に人材の渡航計画に影響が出る可能性がある。