韓国SKグループの崔泰源会長が日本での半導体工場建設を提案したとの報道に対し、日本のキオクシアが共同生産の話を否定した。背景にはキオクシアの生産体制や契約条件、SK側の海外生産戦略が絡むと伝えられている。
韓国SKグループの崔泰源会長は、電力と用水が確保できれば日本のどこにでもメモリー半導体の合弁工場を検討すると発言したことが8月のメディアインタビューで伝えられており、今月には日刊紙のインタビューでキオクシアとの共同生産を「選択肢の一つ」と挙げたとの趣旨が報じられた。一方、キオクシアのCEOは「SKハイニックスと共同生産について話し合っていない」と否定し、「なぜそのような話をしたのか分からない」との見解を示したという。これにより、日本での工場設置の可能性をめぐる議論が注目を集めている。
記事はこうした背景として、キオクシアの事情を挙げている。キオクシアの生産能力の約80%が米サンディスクとの合弁事業に割り当てられ、第三者への生産を制限する契約も2034年まで続く見込みだという。さらに、SKハイニックスはキオクシア株14.19%を保有する投資会社の議決権の大半を転換できる社債を所持しており、工場の共同運営となればキオクシアの経営の独立性が揺らぐ懸念があると伝えられている。
一方、SKハイニックスが海外生産を検討する背景にはAI向けメモリー需要の急拡大があり、崔会長はデータセンター向けメモリーが現在20〜30%不足しているとの認識を示している。韓国内の拠点投資を続けつつも増大する需要に対応するには生産能力が不足しているとの指摘があり、海外展開の動機づけとなっているとの報道だ。
これらの報道は、日本国内の工場設立を巡る議論と、キオクシアの生産体制・契約状況、SKハイニックスの海外戦略が絡む複合的な状況を浮き彫りにしている。今後の追加報道で、両社の具体的な交渉状況や日本国内での展開方針がどう変わるかに読者の関心が集まっている。