政府と日銀が通貨安政策を継続するとする合理的期待が歴史的円安を生むとされ、海外生産の移動や日銀の資産構成の影響が論じられている。
日本銀行は円安是正のために利上げを支持する論調があるが、筆者はこの認識に概ね同意する一方、物価の安定と通貨の安定の結びつきが重要だとの考えを示している。通貨政策は政府と日銀が協力して行われるべきで、管理通貨制度の下で円の価値は日本経済の実力に応じて決まると整理されている。
かつては日系企業が国内生産と輸出で得た外貨を円に換えることで円の価値が支えられていたが、現状は海外での生産拡大と現地利益の再投資が進み、日本へ還流される資金が減少している、その結果円高要因がかつてほど機能していないと説明されている。
さらに量的金融緩和の影響として、日銀が保有する資産の九成以上が国債となっており、経済政策の枠組みの中で物価安定と通貨安定の関係性が複雑化していると指摘されている。