日経編集委員の小平隆四郎氏が、山一前後を軸に“失われた30年”の要因と市場の変化をまとめ、現在の株式市場の背景を振り返る。書籍と取材を通じた洞察を紹介する。
日経平均株価は長期的な回復局面を迎えつつあり、2024年2月22日に1989年の最高値を約34年ぶりに更新した。日経編集委員の小平龍四郎氏は、これまでの30年以上の変化を現場の目線で整理し、“失われた30年”を一括りにせず“失った10年”も含めた見方を提案している。彼は著書『山一前後 日本証券市場の敗戦と復興』で市場の変化を詳述している。
90年代前半の市場は未整備の状態が続き、インサイダー取引規制の定義が曖昧で、5%ルールも未導入だった。その結果、誰が株を買い占めたかが分からず思惑が働きやすい環境だった。1992年の証券取引等監視委員会設立まで、外部の目が入りにくい状況が続いたと振り返る。さらに財テクの損失を簿外に隠す不正事例が生じ、規制強化の必要性が高まった。