長期金利の上昇を財政破綻と結びつける見方に対し、著者は日本の財政は危機的でないと主張。骨太方針2026の下、責任ある積極財政元年の実現可能性と長期金利の影響をめぐる論点を整理する。
骨太方針2026が閣議決定され、27年度を責任ある積極財政元年と位置づける方針が示されたことを前提に、長期金利上昇による財政破綻リスクの懸念が一部で語られている現状を取り上げる。本文は、こうした懸念の背景にある論点を検証する。
名目成長率が約4%、長期国債金利が約2.8%の水準にある現状について、著者は財政破綻の可能性は低いと指摘する。さらにブレーク・イーブン・インフレ率は今後10年で約2%にとどまり、悪性インフレにはならないとの見方を示す。CDSレートの動向も財政悪化要因にならないとする。
債券の利回り上昇は債券価格の下落を招くが、株式と債券は逆の関係にあると説明する。株式が優位になる時代には債券側の声が弱まり、反対の状況では株式側が影響力を増すとされる。統合政府の資産が多く、資産の多くが金融資産である点から、長期金利の上昇が財政を直接圧迫しないとの見解を補足する。
文書はGDP成長率名目3%超、実質1%超を目指す骨太方針の目標設定を紹介しつつ、日本の財政が危機的でないことを結論づける。円安による税収増を国民に還元すべきとの示唆も含む。