日産自動車とラディクール社が共同開発した自動車用自己放射冷却塗装の実証実験が羽田空港で公開され、塗膜を通じて熱を宇宙へ放出する仕組みと、車体表面の温度差が実証された。現状では白色のみだが、実験車と通常車の表面温度差は約7度に達した。
自動車用自己放射冷却塗装は、放射冷却を人工的に実現する“メタマテリアル”技術を用いた塗料で、熱エネルギーを塗膜から宇宙空間へ放出することで車内外の温度上昇を抑制するという。塗料には特定波長の電磁波を放出する粒子が組み込まれており、大気に吸収されない波長の電磁波へと変換して冷却効果を生む。
羽田空港での実証実験では、日産と日本空港ビルデングの協力のもとANAエアポートサービスの車両に塗装を適用。塗装車と通常車を比較し、表面温度が43.5度の通常車に対し、自己放射冷却塗装車は36.6度となり、約7度の温度差が確認された。
現状の課題として、エアスプレー塗布とクリアコート重ね塗りの工程で膜厚が厚くなりがちで、量産車には難しさがあると担当者は説明。実証車は特装車や商用車での採用を検討中で、冬場には効果が薄くなる可能性もあるが、夏場は放射冷却エネルギーが大きく働くとされる。
今後の展望として、白色以外のカラー展開も検討中で、塗装が室温を下げエネルギー消費を抑える可能性があることからカーボンニュートラルの一環としても注目される。