日本企業の自然資本経営について、著者が自然との向き合い方の変化を整理し、第一歩として事業全体と自然の関係を一枚の地図に描く手法を紹介します。
本連載の前回に続き、自然と共に生きる日本企業の姿勢を踏まえ、今回は自然資本経営の考え方と取り組み方が語られます。日本企業は自然を大切にしてきた一方で、自然資本を経営判断に落とし込む難しさや戸惑いがあると指摘されています。
第一歩として、全社の事業を俯瞰し、どの事業がどの自然に支えられ、どこで影響が大きくなりそうかを一枚の地図として描くことが提案されます。水使用量や原材料の調達先といった情報は部門ごとに管理されており、全体像を共有できる形に整理することが鍵とされます。
地図の作成後は優先順位を決め、限られた人員・予算の中でどこから詳しく分析するかを決定します。生産量の多い工場や主要拠点・原材料の集中点など、事業にとって重要な要素を中心に整理する方法が示されています。
自然資本経営は新たな環境活動を始めることではなく、自然が事業を支え、変化に備えた経営判断へと結びつけることが重要だと結論づけられ、これまで大切にしてきた自然への敬意を経営判断へ統合する姿が強調されます。