日本製鉄は統合報告書2026を公表し、2026〜2030年度の5年間で約6兆円の設備投資・事業投資を計画、2030年度には連結実力利益を1兆円以上とする目標を掲げた。国内事業と海外事業を両輪に成長させ、USスチール買収後の取り組みを強化する。
日本製鉄は2026年10月7日、統合報告書2026を公表し、2030年度の中長期経営計画に基づく国内外の成長戦略とUSスチール買収後の取り組みを紹介した。5年間で総額約6兆円の投資を実施し、2030年度には連結実力利益1兆円以上を目指す。
2030年度の実力利益目標は国内事業と海外事業でそれぞれ5000億円以上を確保する計画で、海外事業の利益拡大を戦略の要とする。これまでの2025年度実力ベースの内訳は国内5276億円、海外1228億円であり、海外の収益力を4倍程度に拡大する方針だ。
今回の成長戦略を支えるのが2026〜2030年度の約6兆円投資で、前期間の約7.5兆円に続く大規模投資。全体の約6割を海外へ配分する案が示されている。
海外投資の中心は米国スチールで、2028年末までに米国内で約110億ドルの投資を計画。生産設備の新鋭化や高付加価値鋼材の供給能力拡大を進め、現地での改善施策を66の課題、260項目の具体策として推進する。
インド・タイでも事業を拡大し、タイプロジェクトを発足させてサプライチェーンの強化を図るほか、中国からの安価な輸入鋼材への対抗と収益改善を地域別に進める。また財務面ではROE10%、DEレシオ0.7程度、Debt/EBITDA3.5倍以下を2030年度の目標に掲げ、フリーキャッシュフロー黒字化を目指す。