内部留保を溜め込む日本企業が600兆円超とも言われるとの指摘があり、その背景として1990年代以降の投資抑制と貯蓄優先の経営が挙げられる。批判は的外れとの論点とともに、デフレと企業行動の因果関係が解説される。
失われた30年と呼ばれる経済停滞の要因として、日本企業が投資主体から貯蓄主体へと転じた点が指摘される。企業部門の内部留保は600兆円を超えるとされ、これが経済成長を阻む要因として論じられる。
1990年代以降、日本企業の企業貯蓄率はプラスに転じ、バブル崩壊後には負債返済を優先する動きが強まり、金融危機の影響で銀行の融資姿勢も厳格化した。結果として設備投資が抑制され、リストラやコスト削減が進み、内部留保の蓄積が進んだ。
企業貯蓄率と消費者物価の動きには相関がみられ、貯蓄超過が続くとデフレ圧力が高まり、需要が萎んで物価が下落する悪循環が生まれると説明される。インフレと投資の関係性について、デマンドプル型とコストプッシュ型の区別を用いて整理される。
経済のデフレ脱却には政府の役割が重要であるとされ、経営者の「アニマル・スピリット」を過度に求める批判には反論がある。デフレ状況下での合理的判断と、長期的な成長への道筋を政府が担うべきとの主張が展開される。