NANOホールディングスは投資事業を主たる事業とするホールディングス体制へ移行した。創薬事業を子会社で推進する現行グループ体制を整理し、2026年4月に正式移行したことが背景にある。
NANOホールディングスは、元々ナノキャリアとして1996年に設立されたバイオベンチャーで、低分子抗がん剤のDDS製剤の実用化を目指して研究を進め、2008年にはマザーズ市場へ上場した。その後、2023年1月に核酸創薬を軸とした事業方針へ転換し、2020年に吸収合併したアキュルナのパイプラインを基に、メッセンジャーRNA(mRNA)創薬を中心に据えたベンチャー企業としての位置づけを打ち出した。2025年12月以降は投資事業を強化する方針を掲げ、2026年4月にホールディングス体制へ移行したことで、投資事業を主たる事業とするグループ体制が整った。
市場環境と背景として、日本企業の技術力や知財、人材、事業基盤への関心が世界的に高まっている点が挙げられる。国内政策として創薬力強化や海外資本の呼び込みが進み、政府支援にもより日本の技術を世界市場へ展開する土壌が整いつつある。一方、長期の開発期間と資金を要する点から国内資本だけでは成長資金の確保が難しいケースもあり、海外展開や事業提携の体制整備が課題となっている。NANOホールディングスは、技術・知財の競争力、グローバル市場での事業性、経営体制、EXITの可能性を総合的に評価して投資判断を行い、資金提供にとどまらず開発戦略や製造・品質、知的財産、事業提携、ガバナンスの強化を支援していく方針だとしている。
同社の最終的な目標は、日本発の技術を海外の投資家や製薬企業、事業会社へつなぎ、世界市場で通用する企業・事業へ成長させることだとしている。