ベルリンで開催されたIFA 2026では、長く使える家電を軸とするサーキュラーエコノミーの実現性と企業の取り組みが紹介された。修理や部品交換を巡る課題と経済性のバランスが焦点となった。
2026年のIFAは、AIやスマートホームの最新技術だけでなく、長く使える家電の将来性にもスポットが当たった。省エネだけでなく修理可能性や部品交換、再生品の循環を通じた素材の再利用が、サーキュラーエコノミーの思想として製品設計やビジネスモデルに浸透している。
今回の取材で、欧州市場の課題として修理サービスが利益ではなくコストセンターになり得る点が指摘された。部品保有やサービス網の維持、人員確保には費用がかかり、適切な価格転嫁とコスト管理のバランスを見つける必要があると説明された。
Right to Repairをめぐる制度整備も重要な論点となっており、EUは修理対応の義務化や交換部品の供給、修理しやすい設計を促すエコデザイン政策を連携させている。環境面だけでなく経済性と組み合わせなければ長寿命化のビジネスは成立しないとの見方だった。
修理をコストから価値へ転換する考え方が求められ、長寿命化の実現には消費者の支払い意思や販売価格との関係性も重要になる。サステナブルな製品開発と市場の受容の間に適切なスイートスポットを見つける必要があると示された。