ウクライナ情勢・原材料価格・金融市場変動による下振れリスク
FY2022-Q1に初出。13回の記載のうち4回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2023-Q1。直近の記載はFY2026-H1。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。168社中125社が悪化側に。
- FY2026-H1海外経済・地政学リスクの更新有価証券報告書
「海外経済におきましては、米国ではインフレや金利の高止まりが設備投資の抑制要因となっております。東南アジアでは、金利上昇や家計債務問題などを背景に自動車市場を中心に需要の低迷がみられたほか、中国においては、不動産不況の長期化や急速なEVシフトにより厳しい事業環境が継続しております。」
海外経済について、米国の高インフレ・高金利、東南アジアの自動車需要低迷、中国の不動産不況長期化と急速なEVシフトを新たな事業環境の更新として記載している。 - FY2025-H1通商政策・海外経済の更新有価証券報告書
「先行きについては、米国の通商政策による不透明な状況は、今後も続くと見られており、グローバルなサプライチェーンに与える影響など、今後の動向を注視しております。また、海外経済は、米国では景気の拡大が緩やかとなる中、設備投資や生産は関税引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあり横ばいとなっていますが、今後も通商政策が与える影響に留意する必要があります。中国では各種政策の効果がみられるものの、景気は足踏み状態が続いており、東南アジアでは、内需を中心に堅調を維持していますが、先行きについては、米国との通商問題の影響で外需を中心に鈍化が見込まれます。」
前年度までの米国保護主義や中国経済低迷への懸念に加え、米国の関税引上げと通商政策がサプライチェーン、米国の設備投資・生産、東南アジアの外需に与える影響を具体的に更新している。 - FY2024海外経済状況の更新有価証券報告書
「当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、各種政策の効果もあり、景気は緩やかに回復しており、個人消費や設備投資にも持ち直しの動きが見られました。一方で、欧米と日本における金利格差の動向や、中国経済低迷の長期化、地政学リスクの存在などに加え、米国新政権における保護主義的な政策への転換による懸念など、依然として先行きは不透明な状況となっています。」
国内経済は緩やかな回復とされる一方、金利差、中国経済低迷、地政学リスク、米国の保護主義への転換懸念を新たな不透明要因として更新している。 - FY2024-H1海外経済状況の更新有価証券報告書
「米国経済は、良好な雇用環境を背景に個人消費が堅調に推移しましたが、足元のインフレ指標に減速感がみられることから、市場では利下げのタイミングを探り始めています。中国経済は、不動産不況の影響が継続しており、雇用環境の厳しさから消費意欲は鈍く、景気の下振れリスクがあります。」
米国は個人消費が堅調で利下げ時期が意識される状況、中国は不動産不況と雇用環境の厳しさから下振れリスクがある状況へと、海外経済の記述を更新している。 - FY2024-Q1海外経済状況の更新有価証券報告書
「一方、米国経済は、消費や設備投資の増加による景気の拡大が続いており、ドル高円安の要因となっています。金融引締め策実施下においてのインフレ率上昇により、利下げ時期が遅れるとの観測が強まるなど、早期における円安是正は期待薄であるといった見方が優勢となっています。中国経済は、政策効果によって景気は下支えされていますが、不動産業における市況低迷の長期化は、景気回復のペースを緩やかにしています。」
海外経済について、米国は消費・設備投資による景気拡大が続く一方、高インフレと金融引締めにより円安是正が見込みにくい状況とされている。中国では政策効果による下支えがあるものの、不動産市況低迷の長期化が景気回復を緩やかにしている。 - FY2023悪化有価証券報告書
「中国は、不動産市場の低迷を受け、景気は減速しております。ウクライナ情勢だけでなく、中東情勢も緊張感が増す中、世界的な景気減速が懸念されております。」
従来のウクライナ情勢等に加え、中東情勢の緊張、中国の不動産不況・景気減速など、海外経済の下振れ要因が広がっている。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「海外経済は、高い金利の中で景気動向が不透明な状況が続いております。米国では、インフレ率はやや低下したものの、依然として高水準を維持しております。一方でGDP成長率は鈍化がみられ、住宅投資は減少傾向に、設備投資も横ばいとなり、景気の減速が明らかになりました。中国では、コロナ後の景気回復が想定通りに進まず、GDP成長率が下方修正されました。米中の緊張も継続しており、景気は停滞しております。」
高金利・高インフレに加え、米国の景気減速、中国の回復停滞、米中緊張の継続が示され、海外経済および設備投資環境の不透明感がさらに具体化している。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「海外経済は、高い金利の中で景気動向が不透明な状況が続いております。米国では、インフレ率はやや低下したものの、依然として高水準を維持しております。一方でGDP成長率は鈍化がみられ、住宅投資は減少傾向に、設備投資も横ばいとなり、景気の減速が明らかになりました。中国では、コロナ後の景気回復が想定通りに進まず、GDP成長率が下方修正されました。米中の緊張も継続しており、景気は停滞しております。」
高金利・高インフレ、米国の景気減速、中国の回復停滞、米中緊張の継続が記載され、海外経済および設備投資環境の不透明感がより具体化している。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「海外経済は、景気に不透明感が増してきました。北米では、高いインフレと金融不安の環境下、積極的な投資は見送られております。」
海外経済の不透明感が増し、北米ではインフレと金融不安を背景に積極的な投資が見送られていると記載している。 - FY2022再掲有価証券報告書
「しかしながら、変異株の出現による感染症再拡大に加え、世界情勢の混乱による急激な為替変動や原材料価格の高騰、物流の混乱等の発生により、生産活動は十分ではなく、その結果、物価が高騰し政策金利も実質的に上昇しました。」
感染症、地政学的混乱、為替変動、原材料価格高騰、物流混乱が続く経済環境を記載しており、既に顕在化した下振れ要因を再確認している。 - FY2022-Q3再掲有価証券報告書
「制約がある中で調達を行うため、原材料価格やエネルギー価格は上昇しており、部品価格や最終製品にも波及したことによって、消費者物価指数も上昇しております。」
供給制約を背景とする原材料・エネルギー価格の上昇と、部品・最終製品への波及が継続している。 - FY2022-Q2顕在化有価証券報告書
「しかし、米中対立やロシアのウクライナ侵攻など地政学的リスクの影響で、原材料価格の上昇や供給面での制約により需要に対して生産が追い付かない状況は続いていることから、下振れリスクに注意する必要があります。また、金融資本市場の変動により、金利や為替の影響も顕在化しているため、企業の設備投資需要についても不透明性が増しています。」
地政学的リスクに伴う原材料価格上昇・供給制約が継続し、金利・為替の影響も顕在化したと記載されており、前四半期に示された下振れリスクが実際の経済環境に現れている。 - FY2022-Q1初出有価証券報告書
「加えてウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに注意する必要があります。」
ウクライナ情勢を起点とする不透明感、原材料価格上昇、金融資本市場の変動を業績下振れ要因として新たに明示している。供給制約部分は既存の製品供給リスクと重なる。