本中間会計期間において、カイオム・バイオサイエンスは、創薬事業と創薬支援事業の二事業を軸に、抗体創薬を核としたIDD(Integrated Drug Discovery)を展開しています。創薬事業では自社開発中のがん治療用抗体CBA-1205およびCBA-1535の臨床第1相試験を進行させ、CBA-1205の前半パートでは30 mg/kgまでの投与量で安全性が確認され、前半パート登録のメラノーマ患者における腫瘍縮小を伴う安定評価が4年以上継続した症例を確認しています。後半パートでは肝細胞がんおよびメラノーマの登録が完了しデータ解析を実施中で、DLK1の発現が確認された肝細胞がん患者において30%以上の腫瘍縮小(部分奏効)が確認されています。小児がん患者の登録を進めており、DLK1の発現が確認された小児がん患者を対象とした安全性評価を実施中です。CBA-1535は日本国内で固形がん患者を対象に第1相試験を実施中で、単剤パートを優先して併用パートを実施せずにデータを導出する取り組みを進めています。PTRYはTribody抗体として免疫チェックポイント阻害機能を組み込むことを期待した設計で、初期動物モデルで抗腫瘍効果を示しています。PCDCはADC用途を中心とした導出活動を進めています。IDDビジネスでは、二重特異性抗体のハイスループットスクリーニング手法「DoppeLib™」の活用を視野に、製薬企業との共同研究等への展開を想定しています。創薬パイプラインの他にも、長期的にはmRNA×Tribodyでの共同研究を含む新規パイプライン創出を積極的に推進しています。
創薬支援事業は、抗体創薬の技術プラットフォームを活用した抗体作製・親和性向上・タンパク質精製等の受託業務を中心に国内大手製薬企業(小野薬品工業株式会社・中外製薬株式会社等)を主要顧客として展開しています。IDDビジネスの拡張として、アルフレッサ ホールディングス株式会社およびキッズウェル・バイオ株式会社とのバイオシミラー関連の共同開発を進めており、新規バイオシミラー医薬品の細胞株構築の共同開発を順調に推進しています。DoppeLib™やCMC力を活かした新薬関連の案件創出にも取り組んでいます。
本期間の業績は、売上高273,659千円、研究開発費368,984千円、営業損失479,717千円、経常損失481,622千円、中間純損失483,242千円となりました。前年同期比では売上高が増加、研究開発費は臨床開発関連費用の計上額の減少により赤字幅が縮小しました。セグメント別の概況は以下のとおりです。
- 創薬事業および創薬支援事業のセグメント別業績
- 創薬事業
- 創薬支援
- 計(全体のセグメント)
- 2026年1月1日から2026年6月30日まで:外部顧客への売上高273,659千円、セグメント利益は創薬事業で-368,984千円、創薬支援で158,522千円、計で-479,717千円
- 2025年1月1日から2025年6月30日まで:外部顧客への売上高251,796千円、セグメント利益は創薬事業で-395,868千円、創薬支援で138,866千円、計で-536,822千円
重要な契約等・提携・ライセンスに関する主な事項として、以下が挙げられます。
- 旭化成ファーマ株式会社(現 旭化成セラピューティクス株式会社)とのライセンス契約を2024年11月に締結。今後同社で前臨床試験入りに向けた準備が進行。契約にはマイルストーンが設定され、達成時には当社がマイルストーン収入を得る。
- IDDビジネスではAxcelead Drug Discovery Partners株式会社との業務提携開始。DoppeLib™は二重特異性抗体ハイスループットスクリーニング手法としての展開を想定。
- アルフレッサ ホールディングス株式会社およびキッズウェル・バイオ株式会社とのバイオシミラー分野の共同開発、細胞株構築の共同開発を推進。国内外の製薬会社との提携探索・協業検討を継続。
- その他、PXLR等の探索段階プロジェクトの導出活動と、mRNA×Tribodyでの共同研究を推進。
該当する経営方針や中長期的戦略は、IDDビジネスおよび創薬支援の安定収益化と新規パイプラインの創出・導出機会の拡大を通じて、創薬エコシステムの一端を担うことを目指しています。