ノーベル化学賞の受賞発表を受け、不斉合成・キラル分離・有機金属・受託合成などの関連技術を手掛かりに、日本企業20銘柄を紹介するスクラップ的な特集。本文は受賞内容と技術テーマから銘柄候補を掘り下げる。
スウェーデン王立科学アカデミーは2026年10月7日、日本の研究者とフランスの研究者にノーベル化学賞を授与すると発表した。受賞理由は不斉有機合成における分子の鏡像選択性をもたらす非線形効果と自己触媒の発見であり、日本人研究者の受賞は昨年に続き2年連続となる。
硤合反応(Soai反応)は分子の利き手を選別して増幅する性質が特徴で、微小な偏りが繰り返しの反応で高度な鏡像純度へと拡大する。この記事はこの技術の工業応用や関連技術の重要性を背景に、香料・ファインケミカル・分析機器・受託合成といった領域をカバーする企業群を取り上げている。
本文では本命とされる不斉合成の工業化を進める企業として高砂香料工業を紹介。香料・ファインケミカルの両軸で不斉合成技術を供給し、BINAP系・SEGPHOS系配位子の販売や受託製造体制を強みとして挙げている。直近の業績動向としてファインケミカルが出荷延期で赤字の場面があったが、回復を見込む姿勢も示されている。
もう一銘柄としてダイセルがキラルカラムの世界シェア約7割を支える技術力を持つとされる。CHIRALPAK・CHIRALCELブランドで鏡像異性体の分離を世界で提供し、ライフサイエンス分野の成長戦略を掲げている。中期戦略Accelerate 2030の下でライフサイエンスの売上拡大を目指す計画が紹介されている。