AIブームに伴うデータセンター向け需要の拡大を背景に、日本の半導体産業は人材不足が課題として浮上している。未経験者が現場の入口として活躍し得る具体例と、育成を進めるUTエイムの取り組みを伝える。
生成AIの普及を背景にデータセンター向けを中心に半導体需要が急拡大している。日本ではTSMCの熊本進出やRapidusの工場建設など大型投資が相次ぐ一方、設備投資を進めても人材が不足する点が成長の障害となっている。UTグループの子会社で半導体製造工程の人材派遣・請負を手掛けるUTエイムの小泉純氏は、設備投資より前に人材不足がボトルネックになりつつあると語る。
半導体需要拡大の背景には、TSMC熊本進出による九州の活性化やRapidusの2nm開発投資、そしてOpenAIの生成AI普及が挙げられる。AIの普及で学習用データセンター需要が急増し、結果として半導体の需給が逼迫する局面が続いている。小泉氏は、特に高集積度のメモリでは供給が追いつかない状態が生じていると説明する。
半導体業界では未経験者でもオペレーターとして現場入りが可能で、現場の経験を積むことで設備保全や生産技術・生産管理、FEといった職へとキャリアを広げられるという。UTエイムは現場経験を評価するE-Pro制度を設け、これまでの経験に基づく価値を明確化して次の等級へ進む道筋を示している。
未経験者の成長を促す具体的なキャリア例として、半導体テスト領域の受託チームが挙げられる。現在同社は約6000人を半導体現場で支え、テストプログラム開発などの分野へとジョブチェンジを促している。テスト領域は小規模チームの柔軟性を活かせる分野として評価が高く、将来の人材配置にも寄与している。